◎現代に生きる知恵と未來への指針を求めて――司馬遷のメッセージに迫る!
著者 | 藤田 勝久 著 |
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ジャンル | 東洋史(アジア) 東洋史(アジア) > 殷周秦漢 中國古典(文學) |
出版年月日 | 2023/05/16 |
ISBN | 9784762967306 |
判型・ページ數 | A5・384ページ |
定価 | 6,600円(本體6,000円+稅) |
目 次
はじめに
序 章 みえてきた『史記』の世界
一 『史記』の世界――通史と紀伝體/二 武帝の時代と『史記』の成立/三 考古學の発見と出土史料/四 『史記』史料論の手がかり
第一章 歴史のはじまり――五帝、夏王朝の治世
一 『史記』古代本紀の世界/二 五帝、夏王朝の歴史観/三 古代中國の考古発見
第二章 殷王朝の歴史――興亡のモデル
一 『史記』殷本紀の歴史/二 殷王朝の歴史観/三 『史記』と甲骨文の系譜/四 殷王朝の考古発見
第三章 西周王朝の歴史――ひろがる古代世界
一 『史記』周本紀の歴史観/二 『史記』世家の歴史観――周の封建/三 『史記』西周史と考古資料
第四章 春秋時代の歴史――周と諸侯の盛衰
一 『史記』本紀の春秋史/二 『史記』春秋世家の編集と歴史観/三 『史記』孔子世家と春秋列伝/四 『史記』春秋史と出土資料
第五章 戦國時代の歴史――秦の天命
一 『史記』本紀の戦國史/二 『史記』戦國世家と六國年表/三 『史記』戦國列伝の人物像/四 『史記』戦國史と出土資料
第六章 始皇帝と秦帝國の興亡
一 『史記』の秦代史――始皇帝の事績/二 秦の興亡と司馬遷の歴史観/三 秦代史の史料と始皇帝陵/四 秦帝國はなぜ滅んだのか
第七章 漢王朝の成立――楚、漢の正統
一 項羽と劉邦の時代/二 漢王朝と高祖の評価/三 恵帝・呂后、文帝、景帝の時代/四 漢代の出土史料と考古遺跡
第八章 武帝と司馬遷の時代――著述の社會背景
一 武帝の治世と人物像――太史令の時代/二 黃河治水と諸民族の歴史――封禪の條件/三 《太史公書》の完成――中書令の時代
終 章 『史記』が描く古代中國――司馬遷の歴史観
一 『史記』の史料論――素材と編集/二 『史記』の構造と歴史観/三 司馬遷のメッセージ/四 『史記』の評価――どのような書物か
あとがき
『史記』篇目
參考文獻
別表:中國古代の出土史料
図版一覧 『史記』と古代史年表
索引(文獻と出土資料、人名・事項・地名)
【はじめにより】(抜粋)
本書では、つぎのように『史記』の歴史を考えてみたいとおもう。序章では、武帝時代の社會のなかで、父と司馬遷が著述をした背景と、出土史料の情報を紹介する。第一章~第八章では、『史記』本紀と表を中心とする各時代の歴史について、どのような方法と意図で描いたかをみてゆく。そして考古発見による史実との違いを考えてみる。終章では、『史記』の史料論と司馬遷の歴史観をまとめている。漢代の司馬遷は、どのように古代中國の歴史を理解したのだろうか。また現代に生きる私たちは、『史記』という古典から何を學ぶことができるだろうか。これから本書では、伝世文獻に加え、新しい出土史料の情報によって『史記』を作成した方法を確かめ、司馬遷が後世に伝えようとしたメッセージを探ってみよう。
陝西省司馬遷研究會成立三十週年慶祝大會暨《史記》與漢中歷史文化學術研討會